日本酒の賞味期限

日本酒の賞味期限っていつまでなの?開栓前と開栓後で違う日本酒の行方。

開栓前後

そういえば、あの人に頂いた日本酒ってもう賞味期限切れてるかしら?

この前飲んだ日本酒の残り、まだ飲めるかな?

などなど、日本酒の賞味期限や開栓前と開栓後で気を付けなければならないポイントを解説したいと思います。

日本酒に賞味期限がないってホント?

日本酒には賞味期限や消費期限の表示はありません。


ラベルに記載されている年月日は製造時期(製造年月または製造年月日)で、出荷前の瓶詰をした日あるいは月を指します。
(ただし容器の容量が300ml以下の場合は年月の文字を省略しても良いのだそうです。)

製造年月

この製造年月から1年くらいは美味しく飲むことができますが、それは2回火入れの商品に限ります。

2回火入れって、何?って思いますよね。
次の項目で詳しくお話しします。

日本酒は一般的に【2回火入れ】で品質安定。

日本酒造りの工程の中に「火入れ」という作業があります。
通常はこの「火入れ」作業を2回行うのです。

「火入れ」とは、日本酒を加熱殺菌処理をすることです。

加熱殺菌をすることで日本酒の中の微生物を殺菌したり、品質を安定させたり、保存性を高めます。

1回目の火入れ(加熱殺菌処理)は、タンクまたは瓶に詰めた状態で60℃~65℃の温度で加熱。

火入れ
出典:日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)日本酒の基

2回目の火入れ(加熱殺菌処理)は、出荷前の直前に行います。

この両方の加熱殺菌処理を行うことを【2回火入れ】といいます。

品質が安定しているので、未開封のままですと数年経っても大丈夫。
(管理の仕方にもよります。)

※「2回火入れ」のラベル表示はほとんどありません。
次の項目で説明する「生」の表示がないものは2回火入れと思って頂いて大丈夫です。

その日本酒、ラベルに【生】が付く表示されてる?

一般的な日本酒は2回火入れするのに対して、火入れをしない日本酒もあります。

その違いを表にしてみました。

一般的な
日本酒
生詰め酒生貯蔵酒生酒  
1回目の火入れするするしないしない
2回目の火入れするしないするしない

「一般的な日本酒」は2回火入れ。

1回目の火入れをして出荷前の2回目の火入れをしないものを
「生詰め酒」といいます。
秋の季節商品「ひやおろし」などによく使われます。
(「ひやおろし」とは)

1回目の火入れをせずに出荷前の2回目の火入れのみを行うものを
「生貯蔵酒」といいます。
生酒に似た軽快でフレッシュな味わいになる傾向があります。

1回目、2回目、どちらの火入れもしないものを
「生酒」といいます。
一切の火入れを行わないので、生酒特有の香りや新鮮な味わいを楽しむことができます。


しかしこれらは、非常にデリケートなため品質が変化しやすいので保存管理には十分な注意が必要になります。

「生詰め酒」「生貯蔵酒」「生酒」、これらの表示は任意記載事項なので必ず表示されているとは限りませんが、必要記載事項として「冷暗所に保管し、開栓後は早めにお召し上がり下さい」などという注意事項が書かれています。

裏表示

ラベルに小さく書かれていることがほとんどですが、わかりずらい時はお店の方に確認してもらいましょう。

日本酒の保存、温度に気を付けないと臭いが・・・

日本酒はとてもデリケートなお酒なので保存方法なども、なるべく丁寧に扱うことで美味しく味わうことができます。

特に気を付けたいのが、温度!

日本酒を20℃以上の場所に放置すると、熱によるダメージを受けやすいのです。

温度計

「老香」(ひねか)という、劣化による不快なニオイが生じます。
その臭いの表現が難しく、紹興酒のような・・・という表現をする方が多いのですが、私が思うのは「漬かり過ぎた漬物のようなニオイ」。

飲むのをためらうようなニオイです。

日本酒の種類で「長期熟成酒」や「古酒」と呼ばれるものがあります。
これらには「熟成香」といわれる日本酒独特の香りがします。

この「熟成香」「老香」(ひねか)に似ているとも言われます。

「老香」(ひねか)「熟成香」の香りの明確な違いがとても難しいのですが、見極め方はその香りが心地よいと感じるかどうか、と言われています。

長期熟成酒

私は日本酒の「熟成香」がけっこう好き派です。
飲み切った後のグラスの香りもずーーーっと嗅いでいられます。

でも、「老香」(ひねか)がする日本酒は、香りが似ているかもしれませんが、飲む気にならないニオイですし、グラスの香りもずーーーっと嗅げません。

「老香」(ひねか)がする日本酒はハッキリ言って、まずいです。

放置され、熱によってダメージを受けた日本酒と、数年間温度管理されながら冷蔵庫内で大切に保管された日本酒の味が、同じわけがないと私は思っています。

20℃以上の場所で放置した日本酒の香りや味が不快に感じるものは、劣化していると判断して間違いないでしょう。

日本酒の保存、光に気を付けないと臭いが・・・

紫外線・太陽光・蛍光灯の光は日本酒の大敵です。

特に太陽の光を当てると、数時間で「日光臭」という焦げたような臭いが発生します。

紫外線瓶

瓶の色によって紫外線の吸収率が異なりますが、瓶の色が薄くなるほど紫外線を吸着しやすいです。
(最も紫外線を吸着しやすいのは、透明な瓶よりくもりガラスの瓶です。)

瓶の色
出典:日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)日本酒の基

酒屋さんや飲食店のディスプレイで、日本酒が入った冷蔵庫内を光で綺麗に照らしているお店がありますが、この場合は白熱球やLEDを使用するのが望ましいでしょう。(※1)

蛍光灯には紫外線を発するものがあるので注意が必要です。(※2)

家庭の冷蔵庫に使用されている電気はLEDが多いようですが、開け閉めが多い場合はその度に外や家の中の明かりなども入り込むので、できれば濃い色の瓶に移し替えたり、新聞紙で瓶を包むなどの工夫をした方が、より長く美味しく飲むことができます。

(※1)LEDが発する紫外線量は蛍光灯の200分の1程度(出典:大塚商会ホームページ)白熱球が発する紫外線量は蛍光灯の2分の1程度(出典:光触媒工業会による1000ルクスの明るさでの紫外線量比率)

(※2)蛍光灯の発する紫外線量は、窓ガラス越しの太陽光の発する紫外線量の3分の2程度(出典:光触媒工業会による1000ルクスの明るさでの紫外線量比率)

飲めなくなった日本酒の使い道。

日本酒には賞味期限・消費期限の表示はありませんが、明らかに味が変わってしまったり、濁り酒ではなかったのに白濁していたりなどの劣化があった場合は、別の使い方をしてみましょう。

料理の際に調味料として利用したり、調理前のお肉に揉みこむとお肉が柔らかくなります。

豚肉

日本酒風呂も楽しめます。
ぬるめのお湯に日本酒を入れるだけです。
(入れる量はお好きなだけどうぞ。)

風呂寝

普段、低体温でアトピーの娘は日本酒風呂が大好物です。
寝る前に入ると体がポカポカしてぐっすり眠れるようです。

お肌もツルツルして「コレはやめられない」と、劣化していない日本酒をこっそりお風呂に入れて私とケンカになります(笑)

(追い炊き機能がある場合は、その機能を止めてから日本酒を入れてください。機械の故障の原因になりかねないので。)

お手元にある日本酒の「製造年月」と「生」の表示があるかどうかをチェックしてみてください。

「生」の記載がない、2回火入れの日本酒は開栓前の場合約1年。一度栓を開けたら1か月以内に飲むことをおススメします。

「生」がつく日本酒は特にデリケートなので、開栓前の場合冷蔵庫で約半年、一度栓を開けたら1週間以内に飲むことをおススメします。

開栓後、数週間、数か月経っても冷蔵庫で保管していれば、まだまだ美味しく飲める場合も多いので、一度味見をしてみてください。
開けたての時のような味わいがなくても、自分自身が「まだ飲める」と思う範囲であれば問題はありません。
劣化していても、飲んで体に害は無いので。

デリケートな日本酒の保管の基本はやはり冷暗所が理想です。

たとえ劣化してしまっても最後の一滴まで楽しむことができるお酒です。

参考にしていただければ嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。